電池を安全にご利用いただくため、過去に発生したトラブルの事例を紹介します。

ご不明点がございましたら、お問い合わせフォームまたは当社営業窓口へお問い合わせください。


危険防止のために(トラブル発生事例と解説)

電池を保管する際は、電池同士が相互に接触しないよう、所定のトレーに正しく入れて保管する必要があります。保管方法の誤りが原因で実際に起きたトラブルの事例を紹介します。

電池の保管等は、電池同士が相互に接触しないよう所定のトレーに正しく入れて保管してください。

発火

流通段階で新品電池を約2,000個廃棄することになりました。20個入りの所定トレーから電池を取り出し、ダンボールにごちゃ混ぜの状態で入れました。約30分後、電池から発煙し、数分後に発火しました。

発火

破裂

OEM向けに、中間梱包20個入り(あるいは40個入り)の電池入りトレー容器を10枚重ねて梱包しました。流通段階でこれを開梱し、お客様にトレー容器5枚分を納入しました。お客様先で小箱の中にトレーを斜めに保管したところ、トレー容器から電池が複数個落ちました。小箱の中で電池がごちゃ混ぜになり、電池の一部が破裂しました。

破裂

発熱

タブ端子付き円筒型リチウム電池を、21個納品する必要がありました。トレー容器の所定保管数は20個だったため、端数の1個を図のように、20個用のトレー容器で端数の1個を接触した状態で交互に保管しました。その結果タブ端子が相互に接触し、外部ショートして2個の電池温度が急激に上昇、発熱し、外装チューブが破れてしまいました。

発熱

品質トラブル防止のために

電池の電圧低下と電気容量の消耗による品質トラブル事例を紹介します。

静電気防止導電材との接触が原因となるケース

メモリーバックアップ用端子付き電池やコイン形リチウム電池が、静電気防止導電材との接触により外部放電回路が形成されて、電池電圧が低下したり、電気容量が消耗したりするトラブル事例が発生しています。

IC(半導体集積回路)やLSI(大規模集積回路)等の半導体部品を使用する工場では、静電気防止導電材を用いた静電気防止対策が徹底されており、保護材料として多く用いられています。静電気防止導電材の多くは、カーボンやアルミ箔、金属等が特殊配合されており、導電性を有しています。使用例として、包装用袋・トレー・マット・シート・フィルム・ダンボール・樹脂ケース等があります。

たとえば、保護材料のなかには抵抗値が103~106 Q/cmと小さいものもあります。電池の㊉㊀端子がこれらの保護材料に接触すると、数mA〜数A程度の電流が流れて電池は放電状態となり、電圧の低下、および電気容量消耗の原因となります。

トラブル例-1

端子付き電池の端子を導電性のマットに差し込んでいたため、数日間で電池の電気容量が消耗してしまった。

トラブル例-1

トラブル例-2

電池を取り付けたP板を導電性樹脂ケースに接触させていたため、電池の電気容量が消耗してしまった。

トラブル例-2

トラブル例-3

電池を取り付けたP板がスペーサーや導電性ゴムシートに接触したため、電池の電気容量が消耗してしまった。

トラブル例-3

トラブル例-4

作業台のゴムシートが導電性だと知らず、電池を上に直接置いていた。㊉㊀端子がシートに接触して、電池の電気容量が消耗してしまった。

トラブル例-4

保護材料周辺で電池をご使用の際は、電池の㊉㊀端子や電池を取り付けたP板等がこれらの保護材料に直接接触しないよう、くれぐれもご注意ください。

電池どうしの接触が原因となるケース

メモリーバックアップ用端子付き電池やコイン形リチウム電池において、電池どうしが接触し、放電回路が形成され(ショー卜状態)、電圧の低下や電池の電気容量が消耗する事例が発生しています。電池の取り扱いにおいては、下記をお守りください。

 

(1)電池は1個ずつトレーから取り出す

トレーを裏返す等の方法でまとめて取り出すと、電池どうしが接触して放電回路が形成される可能性があります。

 

(2)電池をパーツボックス等でごちゃ混ぜにしない

複数個の電池が放電回路を形成し、電池の消耗を招きます。