パナソニック エナジーは100年にわたり、「エナジー」を通して社会課題の解決に取り組んできました。「幸せの追求と持続可能な環境が矛盾なく調和した社会の実現」をミッションとして掲げ、サステナビリティへの取り組みを強化しています。

環境の取り組みに関する考え方

パナソニック エナジーは環境分野において、「脱炭素化の実現」と「循環型社会の実現」の2つを重要課題として掲げ、サステナビリティ(ESG)経営に取り組んでいます。いずれの重要課題においても、環境貢献を最大化し、環境負荷を極小化すべく、7つのKPIと2030年の数値目標を定めています。詳細につきましては、パナソニック エナジーの統合レポートやサステナビリティページをご覧ください。

環境 - パナソニック エナジー株式会社


脱炭素化の実現

人類共通で喫緊の課題である気候変動への対応は、「幸せの追求と持続可能な環境が矛盾なく調和した社会の実現」をミッションとする当社が取り組むべき最大のテーマです。このテーマに対し、車載用リチウムイオン電池をはじめとした製品がエンドユーザに使用される際の「CO₂削減貢献量の拡大」と、原材料の調達から当社工場までの「電池生産時のCO₂排出量の削減」の両面で取り組みます。環境貢献を加速し環境負荷を低減することで当社の提供価値を最大化するべく、ステークホルダーの皆さまと協働しながらグループ一丸で臨んでいます。

CO₂削減貢献量の拡大

パナソニック エナジーは2008年の⾞載⽤リチウムイオン電池の市場投入以降、ガソリン車から電気自動車(EV)へのシフトを下支えしてきました。ガソリン車からパナソニック エナジーの電池を搭載したEVへの置換のほか、パナソニック エナジーの電池パックによる電動アシスト自転車の普及を通して削減に貢献したCO₂排出量は、2023年度で約1,200万トンに上ります。当社はモビリティの電動化をはじめとした、製品を通じた環境への貢献に取り組むことで2030年度のCO₂削減貢献量を約6,000万トン(22年度比 約4倍)とすることを目指しています。

CO₂削減貢献量の拡大

自社工場のCO₂排出量の削減

パナソニック エナジーは「再生可能エネルギーの導⼊」と「省エネルギーの推進」の両面から当社に起因する環境負荷の低減に取り組んでいます。「再生可能エネルギーの導入」に関しては、太陽光発電システムや風力発電、畜エネルギー機器の導入などによる再生可能エネルギーの利活用と、100%再生可能エネルギー由来の電力や環境価値の調達などを組み合わせることにより事業活動におけるCO₂排出実質ゼロ化に取り組んでいます。また、「省エネルギーの推進」については、空調制御の最適化、ロス削減(エア、蒸気、ポンプ)、生産・工法の革新、燃料電化、高効率設備への更新などのモノづくり革新に取り組んでいます。これらの活動を通して、2024年9月時点でグローバル20拠点中17拠点でCO₂ゼロ工場* を達成しました。2028年度にはグローバルの全製造拠点でのCO₂ゼロ工場を達成します。

自社工場のCO₂排出量の削減

サプライチェーンにおけるCO₂排出量の削減

電池の生産に当たって排出されるCO₂(カーボンフットプリント)のうち、実に9割近くが、当社での製造工程以前の資源採掘、原料加工、物流のプロセスで排出されています。電池生産に当たってのカーボンフットプリントを2030年度に半減(2021年度比)させる目標を達成するため、購入先様をはじめ、他業界のパートナー様、研究機関といった幅広いステークホルダーの知見を集めた協働を進めています。

活動の一つとして、世界規模で拡大するEV需要に対応するため、北米を重点地域とした車載電池の生産拡大に向け、持続可能なサプライチェーンの構築に取り組んでいます。リチウムイオン電池の負極材料の一つである黒鉛は、天然黒鉛と人造黒鉛で構成されています。天然黒鉛については、カナダのヌーボー・モンド・グラファイト社と、2022年10月にオフテイク契約(長期供給契約)に関する覚書を締結し、その後技術開発などを進め、24年2月に同社への出資と7年間のオフテイク契約を締結しました。水力発電など再生可能エネルギー由来の電力比率の高いカナダにおいて“資源採掘から負極材料まで”一貫して生産することで、CO₂排出量を大幅に削減した負極材料の調達が可能となります。また人造黒鉛については、ノボニックス社と長期供給契約を締結し、2025年より同社の米国テネシー州の工場から供給いただく予定です。同社が開発した連続黒鉛化炉技術により、従来と比べ、人造黒鉛生産時のCO₂排出量低減が期待できるため、サプライチェーンにおける環境負荷低減という点においても戦略的意義が大きいといえます。

当社は今後も、2030年カーボンフットプリント半減(2021年度比)に向けて、様々なパートナーシップの構築をはじめとした取り組みを加速していきます。


循環型社会の実現

地球上の限りある資源を持続可能な形で利用し次の世代に手渡していくことは、事業に多くの天然資源を利用する当社にとって欠くことのできない取り組みだと捉えています。パナソニック エナジーは、今日生まれた子供たちの未来のために、「再資源化の拡大」により新規の天然資源の消費を抑え、「廃棄物の抑制」により環境への負荷を低減しています。加えて材料の生産や製品の廃棄などに係るCO₂排出量削減の観点からも、これらの取り組みを「脱炭素化の実現」と一体で前進させていきます。

サーキュラーエコノミーの取り組み

これまで電池の素材である正極材料や銅箔に再生材を使用するには、品質やコスト面で高い壁がありました。パナソニック エナジーはこれらの素材を再資源化し、新しい電池の再生材として使用する仕組みの構築を進めています。2022年には米国の電池リサイクル企業であるレッドウッド・マテリアルズ社とEV用リチウムイオン電池のリサイクル正極材および銅箔について売買契約を締結しました。この取り組みにより、再生材の利用率向上だけでなく、現地調達による物流過程および資源採掘時のCO₂排出量の削減にも貢献します。

サーキュラーエコノミーの取り組み

プラスチック使用量削減の取組み

プラスチックは、現代社会で必要不可欠な素材である一方、製造・廃棄時に環境に悪影響を与えます。そのため、パナソニック エナジーでは、プラスチックの使用量削減と資源循環の取り組みを進めています。取り組みの一つとして、市販の乾電池においてエシカル消費(商品やサービスの機能的価値だけでなく、倫理的な価値を意識した消費活動)の志向に訴求する商品として、包装材の削減と脱プラスチックに配慮した「エシカルパッケージ」の乾電池を2021年度に日本国内で、2022年度にはタイにて販売を開始しました。2023年からは充電式ニッケル水素電池「エネループ」やコイン電池*にもエシカルパッケージを採用するなど、ラインアップを拡大するとともに、アジア太平洋地域をはじめとしてグローバルに展開しました。この取り組みは2023年9月にジャパンスター賞「経済産業大臣賞」を受賞しています。エシカルパッケージの導入により、プラスチックを含む包装材使用量を従来品と比較して38~59%削減するとともに、包装材の原料⼊⼿・製造・使用・廃棄のライフサイクルでの総CO₂排出量削減にも貢献します。

* 一部通販サイトのみで販売

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